アイドルのミュージックビデオ(以下、MV)。アイドルにとって非常に重要なものです。バンドとは違い、アイドル自体がビジュアルや見た目を売りにしている存在であり、また、グループの世界観を表現するものだからです。ポップ・クール・エレガント・チープなど、そのクリエイティブによってファンを魅了できるか決まるものなのです。
この記事では、そんなアイドルのMVを作っている著名な映像クリエイターの方を8人紹介します。
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1.スミス
(出典:今、美大生が会いたい 僕らの師匠【映像演出家・スミス監督】 | CREM(クリム)|)
1975年生まれ。武蔵野美術大学出身。大学卒業後竹内芸能企画に入社し、スピッツなどのMVを手がけていた当時のMV制作者の第一人者竹内鉄郎に師事。氣志團やホルモン、斉藤和義のほか、多数のMVを手がけ数々の賞を受賞。
作風も一貫性が高く、可愛い女の子を踊らせることで右に並ぶ人はいません。アイドルのみならず、バンドのMVにおいても脳裏に焼きつく印象的なダンスを可愛い女の子に踊らせます。
主な作品
ファンタスティックパレード/夢見るアドレセンス
首都移転計画/チームしゃちほこ
他にもフレドリック『オドループ』やフジファブリック『銀河』なども彼の作品。
2.高橋栄樹
(出典:イエモン伝説のライブツアーをパンドラ監督の高橋栄樹氏が振り返る - ログミー)
1965年生まれ。日本大学藝術学部映画学科映像コース出身。学生時代にビデオアート作品でグランプリを受賞し、卒業後は凸版印刷映像部へ入社。THE YELLOW MONKEYを数多く手がけ、ベストディレクター賞も受賞されています。
高橋さんは、近年のアイドルMVの撮り方を確立した方。とにかくメンバーを可愛く撮る事に長けています。MVではよく見るメンバーのアップでのリップシンク(口パクで音声を映像に合わせる)は彼の代名詞と言われています。AKB48のドキュメンタリー映画も第4作まで担当。
主な作品
10年桜/AKB48
いつかできるから今日できる/乃木坂46
3.丹羽貴幸
(出典:BiS OFFICIAL SITE)
ニューヨーク市立大学FILM学科出身。卒業後AOI pro.に入社し、広告や映画などを演出。その後、2007年にSPIRITS Inc. という会社を立ち上げフリーランスとして活動中。
丹羽さんは、何を隠そうBiSのMVを担当している方。BiSといえば、アイドル界に激震が走った「全裸PV」の『MyIxxx』ですね。また、全裸に続く「胃カメラMV」のBiS『primal.』やハ○撮りのように見せた『DiE』なども彼の作品。
こういったセンセーショナルなものだけでなく、最新の『 SOCiALiSM』は息がつまるほどかっこいいので掲載します。
主な作品
primal./BiS
SOCiALiSM/BiS
4.池田一真
(出典:KAZUMA IKEDA)
1979年生まれ。学生の頃からMVやCMなど様々な映像制作をしており、卒業後はCGプロダクションでモーショングラフィックを手がけました。その後映像ディレクターに転向し、独立。実写やCG、アニメなど様々な方法で作品を制作する方です。
アイドルでは欅坂46を手がけ、『サイレントマジョリティー』や『月曜日の朝、スカートを切られた』など代表曲のMVを制作しています。欅坂の特徴である、ブリティッシュで統一感のあるクールな世界観を見事に膨らませて表現しています。
主な作品
サイレントマジョリティー/欅坂46
月曜日の朝、スカートを切られた
5.森岡千織
(出典: クラウディ株式会社)
高校卒業後、専門大学で本格的に映像制作を開始。大学の授業のほか、中田ヤスタカさんの曲を使って自主制作MVを作ったりしていました。専門卒業した翌年、21歳の時に自身の会社を設立し、現在まで続けています。
アイドルでは桜エビ〜ずの『わたしロマンス』や都築かな『第二次ジブン戦争』などを手がけています。彼女は女性を撮りたいという思いが強く、アイドルだけではなくアカシックやハルカトミユキなども制作しています。ご自身は欅坂46の大ファンのようです。
主な作品
わたしロマンス/桜エビ〜ず
夜は目映し踊れよ乙女/けやき坂46
6.新宮良平
(出典:新宮 良平|MEMBER(ディレクター・スタッフ)|EPOCH Inc.)
1983年生まれ。慶應義塾大学環境情報学部出身。PYRAMID FILM INC.、東京のCG Studioで経験を積み、27歳の時に独立。2013年からはEPOCH Inc.に所属し、MVやCM、プロジェクションマッピングなど幅広く作品を制作しています。
HKT、AKB、欅坂46、X21、東京女子流、椎名ぴかりん、吉川友など多ジャンルのアイドルを手がける彼。特に話題となったのは、『語るなら未来を・・』と『不協和音』など、欅坂46のMVでしょう。他にも、NHK大河ドラマ『真田丸』のオープニングなども彼の作品の一つです。
主な作品
語るなら未来を・・・/欅坂46
二人セゾン/欅坂46
7.松本花奈
(出典:注目の女子大生映画監督・松本花奈(まつもとはな)さんの活動と私生活に迫る | 【レオパレス21】ひとり暮らしLab)
1998年生まれ。中学二年生の頃女優として活動する傍ら、映像制作を始めました。三池崇史監督の作品に出演するなど女優としても活躍しながら、高校在学中に数々の映画賞を受賞。2016年には東京国際映画祭のフェスティバル・ナビゲーターも勤めました。現在は慶應義塾大学に在籍しながら映像を作っています。
彼女が担当したのは、HKT48『キスは待つしかないのでしょうか?』。彼女は出演するアイドルと年齢が近く演者側の目線も持っています。そのため、リラックスした表情が生まれやすかったり、演出でお願いがしやすかったりといった強みを生かした作品になっています。
主な作品
キスは待つしかないのでしょうか?/HKT48
8.隈本遼平
(出典:スマホがジャックされた感覚に!lyrical school 縦型MV 監督に聞く撮影秘話|SENSORS(センサーズ)|)
1989年生まれ。東京造形大学出身。卒業後、AOI Pro.に入社し企画演出部で映像制作を手がけています。
隈本さんは、スマホ縦型MV lyrical schoolの『RUN and RUN』を演出された方。アイドルファンのみならず世間的に話題にもなり、lyrical schoolの知名度を大きく上げました。カンヌライオンズでもサイバー部門・銅賞を獲得するなど衝撃を与えました。
実はlyrical schoolのメジャーデビュー第二弾シングル『サマーファンデーション』のMVも手がけており、「花火大会とのコラボ」をしたMVに仕上がっています。
主な作品
RUN and RUN/lyrical school
サマーファンデーション/lyrical school
まとめ
アイドルのMVはそのグループの印象を決定づける生命線であり、凝った演出が多いことがわかりました。今後はアイドルを魅力的にするクリエイターたちにも注目しながら楽しめますね。
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