今日は好きなバンドのお話を。I don't like mondaysって知ってますか。通称、アイドラ。“月曜日が定休日”というコンセプトで活動しているロックバンドです。そりゃみんな月曜日好きじゃないですよね、っていう。
このバンドの一番の凄みは「リア充感」が漂いまくっていること。
1969年のウッドストックフェスが代表しているようにロックってもの自体がカウンターカルチャーとして始まっており、既存のメインストリームがあって、対抗するカルチャーとして位置づけられていました。現在では、コアな邦楽ロックというのはサブカルの立ち位置を取り、セカオワとかテレビにたくさん出ている有名なバンドでさえもサブカルファンだらけで。
有り体にいえば、ロックって非リアのためにあって、二軍のためにあって、童貞のためにあって。イケてないからこそ内側に溜まった鬱憤を吐き出したり、モテたくてバンドを始めたりして認められるのがロックの世界。ファンもまた同じで、自分と同じイケてない境遇からロックスターになった人に憧れるわけです。銀杏BOYZの峯田のカリスマ感はまさにそれ。一軍が聴いていない音楽を聞くことで、自分だけが知っている優越感に浸るのです。つまり、今までのロックは非リアによる非リアのための音楽だったのです。内向的な薄暗いものだったのです。
話は戻って、アイドラ。はい、みてください。メンバーの4人中3人が180オーバーの細身。顔もまあイケメン。クラブにいたらさらっと深夜2時ぐらいに女の子と消えてそうな顔。みんな眉毛濃いな。
しかもボーカルの悠は超金持ちで、キャッチコピーは「セレブリティーバンド」。父はなんかの社長らしく、本人も高校から慶應の慶應ボーイ。
インテルのオーナーと写真撮ってる。ボーカルの兄貴は長友選手と写真を撮ってる。スケール感がグローバルででかい。高校生の頃は、部屋で引きこもってナンバーガール聴いてましたとかじゃない。あと、悠のプロフィールに書いてある短所、「方向音痴なこと」。いや、アイドルかって。ジャニーズJr.の若手でぎり許されるぐらいの感じの。
要はスーパーリア充な奴らがバンド組んだわけです。何がずるいってバンドの根幹である、音楽がいいんです。”女子高校生を表参道で躍らせる”ような音楽、とコンセプトをつけているようなポップで耳触りがいいUKサウンドが特徴です。
ギターとドラムの音で聞かせるロックともキャッチーさを追求するJ-popとも異なるキャッチーさを合わせつつロックサウンドを残したような音楽。確かに踊りだしたくなってしまう。
まずは聴いてみてください。
メジャーデビューシングルの「WE ARE YOUNG」
(クリックすると聴くことができます)
ディスコのサウンドにEDMっぽさを取り入れて、より軽快に仕上がっています。これだけ強い拍打ちがあると自然に首を振りたくなってくる。
もう一つ、「TONIGHT」
(クリックすると聴くことができます)
ただハイトーンなだけのボーカルとは違い、セクシーさを感じるような甘い声です。これまた80年代のダンスミュージックにEDMを取り入れておしゃれでキャッチーに仕上がっています。しっとりも聞けるし、みんなでも盛り上がれるような曲。
何がかっこいいって、海外でスマッシュヒットした名曲と同じ曲名をつけるんですよ。
「We Are Young」と言えば、Fun. featuring Janelle Monáeだし、「Girlfriend」だったらAvril Lavigneだし、「Sorry」であればJustin Bieberだし。いずれもグラミー賞にノミネートされるような楽曲です。
アイドラは「We Are Young」「Girlfriend」「Sorry」という名前の楽曲を出しています。Googleの検索時代に、あえてこういった普遍的な曲名をつけても「Girlfriend I don't like mondays」で調べて聴いてくれる人がいるという自信を感じます。かっこいいかよ。オーセンティックな洋楽の良さを取り入れつつ、単なる海外かぶれではなく日本語の歌詞も残しミックスしている。かっこいいかよ。
他にも、ライブ演出やMVの構成まで自分たちでプロデュースしている。かっこいいかよ。オリジナルファッションブランド"IDLMs. by I Don't Like Mondays."も立ち上げてる。かっこいいかよ。
非リアのための音楽を壊したやつなのに、結局一軍は一軍。かっこいいやつが音楽活動やったらずるいんだって。インタビュー読んでる限りは、人としても良い人たちっぽいし太刀打ちができないので、素直に応援しようと思います。