ミーハー主義。

エンタメ業界で働く私が、アイドル・テレビ番組・映画などについて書きます。

ポルカ、岡崎体育、スガシカオ・・ アーティストはセルフプロデュースした方が売れる時代なのか

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(出典:全知全能 | Amazon)

音楽のPRが大変革しています。

かつてはマスメディアに宣伝素材を送っていればよかったのが、インターネットが登場したことによりユーザーを巻き込む宣伝も求められるようになってきています。

そんな中、岡崎体育ポルカドットスティングレイのように、大きな事務所やレーベルに所属しながらも楽曲やMVの方針、物販デザインも決めてしまうようなセルフプロデュースをするアーティストが登場してきています。

この傾向はさらに続いていくのでしょうか。どんな所にメリットデメリットがあるのでしょうか。

セルフプロデュースの形

まず大前提として、セルフプロデュースには二パターンあります。

事務所に所属しながらもクリエイティブの部分は自分たちだけで行う形式と事務所やレーベルに所属せず完全に自分たちだけで行う形式(インディペンデントと呼ばれる)です。

先述の岡崎体育、ポルカドットスティングレイなどが前者、スガシカオやHi-STANDARDらが後者です。

一般的に言われる事務所やレーベルに所属するメリット

・資本力がある分、宣伝を代わりにやってくれる
・スタジオやバンドメンバー、楽器を貸してもらえたりなどの音楽活動の援助

一方でデメリット

・音楽性や楽曲の方針を決められる事がある
・売上の多くを持ってかれるため、アーティストの手元に残らない

という事です。

アーティストの実例を見てみましょう。

 

事務所に所属しながらセルフプロデュースしているアーティスト

岡崎体育

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(出典:岡崎体育 『MUSIC VIDEO』Music Video - YouTube

一番有名な曲『MUSIC VIDEO』を見て分かる通り、彼の音楽はミュージックビデオありきです。映像があることで、面白さが倍増するようになっています。

このMVはヤバTの寿司くんとマネージャー3人で撮ったようですから、当然事務所の影響は受けずに自分たちで企画を決めています。 

また、『感情のピクセル』の宣伝では、岡崎体育がいいね押すためだけのアカウントを作ったりとプロモーションも新しいことを行なっています。

 

音楽的にメタなことをしている楽曲というのはなかなか音楽業界内部にいる事務所やレーベルでは考えづらいことですから、革新的と言えるでしょう。

 

ポルカドットスティングレイ

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(出典:ポルカドットスティングレイのメジャーデビューアルバムにヤバTが“ガヤ”で参加 - 音楽ナタリー

四人組のロックバンド、ポルカドットスティングレイ。彼らはMVやSNS、楽曲、物販のグッズデザインまで全て自分たちで手がけます。

中でもSNSの使い方は圧倒的で、ツイッターで「どんなシチュエーションの恋愛ソングが好きか?」を募ってリクエストの多かった場面を曲にしたり、『エレクトリック・パブリック』のMVではスマホ画面を登場させ、「#正義と踊れ」というハッシュタグを登場させたりと、仕掛けが満載です。

MVも白シャツ⇒浴衣⇒バニーガール⇒私服⇒演奏衣装と衣装を複数パターン用意し、最後まで見てもらえるようにしています。

MVから衣装、楽曲、PRまでなんでもやるからこそ、一貫した世界観が作られています。

インディペンデントの場合

スガシカオ

インタビューにて、こんなことを言っていました。

メジャーのパッケージ感がすごく嫌だったんですよ。自分が心血注いで作った曲って、生々しい形で人に伝わってほしいんですけど、僕の手を離れて、いろんなところをめぐって、その間にジャケットとかPVができて、商品になって僕のところに戻ってくる頃には、生々しさがなくなっちゃう感じがしたんですよね。(スガシカオが語る、事務所からの独立とメジャー復帰の真意 - インタビュー : CINRA.NET)

事務所に所属するデメリットの部分で、多くの人が絡み利害関係がはっきりしと現れてしまい、表現の熱量が薄れる。ということでしょう。

 

生ハムと焼うどん

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(出典:生ハムと焼うどん【公式】※断食中※ (@namaudon_kawaii) | Twitter

ブラックジョークや寸劇、客いじり、そして『たまごかけごはん』や『脱法ドラッグはやっていません』などキャッチーで独特な楽曲で、彗星のように現れ解散してしまったアイドルです。

彼女たちも事務所に所属せずなんでも自分たちでやるセルフプロデュースアイドルでした。

勢いはとにかくすごく、2015年3月にライブデビューした後たった一年で東京ドームシティホール、キャパ3,000人の会場ライブを埋めました。

原宿・渋谷をデモするという宣伝方法など、強烈なPRでトレンド入りを果たしかなり力をつけていった中での解散でした。

理由はメンバー二人の信頼関係の崩壊です。

セルフプロデュースが故に、ブッキングや各所の調整、グッズの配送など事務的な仕事があまりに多くなってしまった事。

方針や方向性の点で、ぶつかってしまったが最後決めようがない事。など、とり持つ人がいないからこそ解散に至ってしまったグループもいます。

 

セルフプロデュースは必須

このように見てみると、世界観や表現をコントロールできるという点でセルフプロデュースは優れますが、自由な分エネルギーが求められるということでしょう。

とはいえ、セルフプロデュースはこれからの時代には必須であると思います。TwitterやYoutubeなどのSNSでどう自分を表現するか考えなくては売れることが難しい時代に突入しましたから。

自分をどう見せるかをコントロールしなくてはなかなか届かなくなってしまいました。

AmPmのようにSpotifyをうまく活用し、世界に広がっていたグループもありますし。

これからも新しいセルフプロデュースのアーティストの登場が楽しみですね。