ミーハー主義。

エンタメ業界で働く私が、アイドル・テレビ番組・映画などについて書きます。

解散にあたりチャットモンチーの俺的ベストアルバムを選出したら、一つの物語になった

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チャットモンチーが先日解散すると言うニュースが舞い込んできました。ドラムの久美子が抜けてからも二人で活動してきたものの、2018年7月を持って完結。

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いつだって、解散はファンの知らないところで決まってしまうもの。チャットモンチーがいるのが当たり前すぎたので、驚きました。

チャットモンチーは私にとって、数少ない青春を彩ってくれたバンドです。7年以上もずっと飽きずに聴き続けてきました。特に初期の「耳鳴り」「生命力」「告白」「YOU MORE」は何回聞いたことか分かりません。

ガールズバンドの礎を作った彼女たちの完結に寄せて、俺的チャットモンチーのベストアルバムを選出することにしました。そして、ベストアルバムを作っていくうちに一つの物語を想像できました。

 

1. 東京ハチミツオーケストラ

メジャーデビュー後2枚目のアルバム「耳鳴り」収録曲。

地方から出てきた田舎の子が東京に来て、東京の厳しさや誘惑、夢があることを歌った曲。自分をハチに例えて甘い蜜や幼虫が登場するところが可愛い曲。

チャットモンチーは東京の曲が他にもあり、「いたちごっこ」が挙げられます。

鈍感ではいられない街 ここ東京 止まれない街 ここ東京

これも東京の厳しさを歌っている曲。徳島から出て来た当時の彼女たちの心境が伺えます。

 

2. 真夜中遊園地

(画像をクリックすると動画になります)

メジャーデビュー後3枚目のアルバム「生命力」収録曲。

ジェットコースターに自身の恋を例えた名曲。高橋久美子の作詞曲の中でも詞がよく名曲としてあげる人も多い。

ジェットコースターのように性急なサウンドが心を掻き立て、恋をした時の不安と楽しさが入り混じる姿が想像できます。

 

3. 余談

(画像をクリックすると動画になります)

メジャーデビュー後4枚目のアルバム「告白」収録曲。

チャットモンチーの言葉遊びが全面に入った楽曲。まさに余談の曲なのだけれど。

恋をする瞬間を知ってる? 私は知らない
恋をしてる自分を知ってる? 私は知らない

表現が自分の中で整理されていないまま詞を書いた感じが良いですね。

4. 風吹けば恋

(画像をクリックすると動画になります)

メジャーデビュー後4枚目のアルバム「告白」収録曲。資生堂のCMソングに使われていたので聞いたことがある人も多いかも。

チャットモンチーでは珍しくサビが盛り上がる楽曲で、J-popぽい。そして爽快な曲。だからこそCMのイメージには合うし使われたんでしょう。

”はっきり言って努力は嫌いさ”という冒頭の歌詞から、”走り出した足が止まらない 行け!行け!あの人のところまで”というサビの超ド級ストレート恋愛ソングにしてしまえるところがチャットモンチーの凄み。

5. ここだけの話

(画像をクリックすると動画になります)

メジャーデビュー後通算6枚目のミニアルバム「Awa Come」収録曲。

切ない楽曲多めのチャットモンチーでは珍しく恋愛ベタベタソング。

”今から歌うこと ここだけの話にしておいてね”

この冒頭はずるい。えっちゃんの声がたまらなくかわいく、イヤホンで聞いているとドキッとしてしまう曲。

6. シャングリラ

(画像をクリックすると動画になります)

メジャーデビュー後3枚目のアルバム「生命力」収録曲。

チャットモンチーの中で一番知られている曲でしょう。

「ここだけの話」が甘くてまったりとした恋愛ソングなら、「恋愛スピリッツ」とこの曲「シャングリラ」は情熱の恋愛ソング。

イントロのバズドラ四つ打ちと”希望の光なんてなくったっていいじゃないか”という歌詞で気持ちがかきむしられます。

チャットモンチーは女性側からの曲が多い中、この曲は”僕”で書かれており、それが男女問わずに共感を呼んだのかもしれません。

7. 余韻

メジャーデビュー後5枚目のアルバム「YOU MORE」収録曲。

ドラマーの高橋久美子さんが脱退に当たって書いた曲。

”私が出した音 あなたが出した音 それが良かった それで良いでしょう”

久美子が脱退を発表する十日前にこの曲を歌った時、えっちゃんは号泣して歌えなくなってしまったほどグループにとっては大事な曲なのです。

この曲の恐ろしいところはグループの文脈を抜きにしたら、セックスの後の曲とも考えられるところ。聴き方によって何度も楽しめる名曲。

8. Boyfriend

メジャーデビュー後5枚目のアルバム「YOU MORE」収録曲。

惚気ソング。サウンドも全体的に静かで、ハードロックな部分が少し弱めのゆったりまったりした曲。個人的にはえっちゃんのかわいらしさが爆発していると思います。

9. バスロマンス

(画像をクリックすると動画になります)

メジャーデビュー後3枚目のアルバム「生命力」収録曲。

遠距離カップルのウェディングソング。ファンの中では一番、2番を争う人気ソング。実生活で女の子の側から”あなたを幸せにするからね”と言われたら、幸せすぎるでしょうが。

10. ふたり、人生、自由が丘

メジャーデビュー後6枚目のアルバム「変身」収録曲。

自由が丘は、東京の地名と自由であるというダブルミーニングだと考えられます。

”倒れたら起こすよ 敗れたら励ますよ キス、人生、中央線”だから、夫婦のことを歌った曲だと解釈しています。もしくはえっちゃんとあっこのように助け合う二人にぴったりな曲。

 

おすすめの聴き方

以上、初期の作品を中心におすすめ曲を紹介しました。おすすめの聴き方としては、一曲目から順番に聞いて言って欲しいです。

地方から東京に出てきた女の子が(「東京ハチミツオーケストラ」)
恋をして(「真夜中遊園地」「余談」)
告白をしに走って(「風吹けば恋」)
二人だけの秘密を共有して(「ここだけの話」)
二人で幸せだって叫んで(「シャングリラ」)
二人で愛し合って(「余韻」)
時にノロケて(「boyfriend」)
遠距離だった二人は結婚して(「バスロマンス」)
二人で自由が丘に住んで幸せに暮らす(「ふたり、人生、自由が丘」)
という物語を想像できました。

チャットモンチーは歌詞がとにかく素晴らしいです。切ない情緒と甘ったるい幸せとその間の揺れ動きとを表現してくれています。青春時代の高校生の頃に、このバンドに出会えて本当に良かったと思っています。

最後に、二人に対して「Last Love Letter」からこの言葉を。

わたしの届かぬあなたへ

愛のある日々を 栄光の結末を

どうか あなたに あなたに